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「…!?てめ…!んな所で何やってやがる!!」
「あれ?土方じゃん。なんでこんなトコにいんの?」

勢いよく開けられた扉。 浴びせられた罵声。
それらに対し返って来たのは、何とも飄々とした銀時の声だった。
部屋に一つのみ存在する出入り口に目を向ければ、真選組鬼の副長・土方十四郎がその名のままの 鬼の形相で立っている。
彼の手には抜刀されて鈍く輝く愛用の刀が収められ、実に迫力があった。
そんな姿を見ても平然としていられるのはきっと銀時くらいだろう。

「何で、だと?それはこっちのセリフだコラァ!」
「? どーして」
「…っ、何が悲しくてこんな大勢の中で全裸にされてるテメーの恋人の姿を見なきゃ なんねーんだよォ!!」

半ば涙目で必死に訴える土方に、銀時は漸く己が何も身に纏っていない事を思い出す。
そーいや麻雀の勝負に夢中で全く気付かなかったな。
それでも依然として全裸に恥じる様子のない銀時は、ふわりと揺れる銀髪に指を絡ませ、 興味がありませんと体の全体で主張する。
それには流石の土方も堪忍袋の緒が切れそうだった。

「お前…今の自分の立場が分かっていねェようだな…」
「あ、あれっ?土方くーん?なんか怖い、よ…?ど、どったの?」

刀を構え今にも切りかかろうとする土方は、ある意味猛獣よりも恐ろしい存在だ。
下手をすれば恋人である自分も斬られる、自分の知っている土方という男の素性がそうで あるから、銀時は余計に焦る。
まして今自分は先程告げたように全裸なのだ。
土方程の刀の使い手なら、人間を真っ二つにする事など朝飯前どころか準備運動にもならないだろう。
だからこそ必死に土方をなだめ現在の行動を止めさせようとする。
するとその甲斐あってか刹那、土方は刀をゆっくりと下げた。

「…取り敢えずお前に関しては後回しだ。今後俺以外の奴の前で裸になったらどうなるか、 用が済んだらすぐにじっくり・みっちり・ねっとりとその体に分からせてやるから 覚悟しておけ、この淫乱が」
「いっ、淫乱!?…って、その前に公衆の前でさらっと爆弾発言してんじゃねーよこのアホ!!」

ほっと息を吐くのも束の間、あろう事か長谷川始めとする一般人三人の前で互いの 関係を堂々と暴露された銀時の羞恥といったら、計り知れない。
だが土方の発言はそれだけに留まらず、更に続く。

「キャンキャンうるせーな。すぐ相手にしてやっから、それまでいい子にして待ってろ」
「…っ!?」

もはや発言の内容が完璧に変態の親父と化している土方に銀時は返す言葉もない。
自分より年下のくせしてこんな発言を平気してみせるこの男が恋人なのかと思うと 何処かで選択を間違ったとししか考えられず、意気消沈せざるを得ない。
それでも惚れた弱みと言うのだろうか、土方の事を嫌いになれないのは。
それどころか今後の己の行く末を想像してしまい、銀時は白い肌を朱色に染めた。

「それより俺ァ、今日はここで違法な取引がされてるって噂を聞いてな、それで張ってたんだ。 …オイそこのオッサン三人。テメーらの姿を見るからに、どうやら何かあったらしいな」
「…え?お、オレぇ!?」

チャキという音と共に土方は再び刀を振り上げる。
その矛先は銀時の隣に座る同じく全裸な長谷川へと向けられ、長谷川はびくりと肩を 振るわせた。
傍観者の立場から瞬時にして被告人へと引きずり出されたのだから、慌てるのも無理はない。
一方長谷川を奈落の底へと突き落とした土方は、そんな長谷川の様子に構う事なく 喋り続ける。

「当たり前だ。テメーら銀時も全裸にしやがって、いかがわしい事しようとしてたんじゃねェ だろうな!」
「は!?ちょ…!ちょっと待ってよ、どーしてそうなんの!?」

むしろ最初に脱ぎ出したのはその銀さんなんですけど…!
長谷川はそう叫びたかったのだが、鋭い眼光に怯んでしまい反論出来ない。
こうなれば銀時に助けを求めて土方に全て説明してもらうしか、彼の誤解を解く方法はない。
神にも縋る思いでちらりと目線を移せば、そこには土方を見つめ『土方、お前意外にかっこ いいのな…!』的な熱い視線を送る銀時の姿が。
…どうやら自分には本当に死神が憑いているのかもしれない、長谷川は本気で己の運命を 呪った。

「とにかく、テメーらが黒いのは一目瞭然だ。すぐにうちのモンが来る、それまで神妙に してろ。…ほら銀時、行くぞ」
「…え?はっ、え、なに?!」

土方は全裸な三人にそう申告するや否や、再び銀時へと話しかける。
それまで長谷川らに向けられていた視線をいきなり自分に戻され、銀時は驚いた。
訳も分からないまま自分へと差し伸べられた手を取ると勢いよく引っ張られ、次の瞬間にはもう 土方の腕の中へといざなわれていた。

「そのままの姿じゃ外歩けねーからな。これでも着とけ」
「へ?うわ!」

そう告げられ頭から被せられたのは土方の隊服の上着。
素早く前を閉められると簡易な服に早代わりだ。
それでも未だ己の置かれた立場を理解できない銀時。
しかし次の一言で全てを悟る事になる。

「さっき言っただろ、テメーの体に分からせてやるって」
「っ!?///」

己の耳を疑いたくなるような発言が銀時の鼓膜を刺激する。
どうしてコイツは変な所で変態臭いんだ、黙ってればかっこいいのに。
そう呟けばもっと色々と突っ込まれるような気がして、銀時は素早く口を噤んだ。
唯このまま流されると土方は本気で銀時にお仕置きしかねないので、それだけは 避けるべく乱暴に土方の体を腕で押し返し抵抗した。

「おま…、何を誤解してるか知んねーけどな…!俺は何もしてな
「何もしてないとは言わせねェぞ。現にこうして素っ裸じゃねえか!これはどう説明すんだよ」
「そっ、それは、だな…!」
「ほら、言えねーんだろ?やっぱりいかがわしい事されそうになってたんじゃねーのか」
「だから、違うっつーの!!」

まるで聞く耳を持たない土方。
銀時の必死の説明むなしく、土方はまるで分かっていないようだった。
全裸なのは認めよう、だが本当に麻雀をしていただけなのだ。
だがいかに説明されようとも、土方にとって恋人が他人の前で全裸になっていたという事実が 己の思考回路を麻痺させていた。
それ故に『全裸=風紀上よろしくない→強姦未遂(?)』という方程式が勝手に土方の頭の中で 出来上がっていたのだ。
銀時がいくら弁明をしようとも、時間の無駄だった。

「…続きはベッドの上でお前の体に聞いてやる。ほら、来い」
「だっ、だからテメーはそう言う事しか言えねーのか!!」
「はいはい。分かったから」
「〜〜〜っ!!大体テメーは…!」

銀時は気付いていないのだろうか、土方に腕を掴まれずるずると部屋の外へと連れ去られている事を。
あーあ、銀さん、この後大変だなこりゃ。
そんな二人のやり取りを眺めながら、長谷川はふとこう思った。


「…つーか銀さん、ギャンブルなんてやんなくても、ちゃんと稼いでる旦那がいるんじゃん…」


仲睦まじい夫婦へ羨む気持ち半分、今後警察に尋問されるであろう己の不幸さを嘆く気持ち半分。
両極端の気持ちに板挟みされ、長谷川は複雑な胸中で残り二人と一緒に真選組の到着を 待つのだった。





>ア二銀第49話妄想小説でした。あの回は色々衝撃的だった…!
銀ちゃんのいちごパンツ有り、目隠しプレイ有り(違)、そしてぜんら!ZE・N・RA!(わお!)
ままままままさっか銀ちゃんの玉のお肌を公式で見られるとは思っても見なかったもんだから 思わず画面の前で吹き出しちゃったよよよ…!(落ち着いて!)色白い!そして色っぽい…!!
そんな全裸DE麻雀な中、もしも土方があの部屋に突入してきて銀ちゃんの全裸を見ちゃったら どうなるのか…!そんな妄想の中、がしがし書き上げました…!
しっかし妄想も甚だしいですね…すみません…(汗)
最終的にはお互いに惚れてるって事が伝われば幸いです…(ぺこぺこ)
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